今世紀百物語

生きているのか死んでいるのか

リッチなマインドの事

リッチであるか否かは,所持しているお金の多寡の問題ではなく,心の問題であり,意識の問題なのだそうです。

 

自分が今どの程度リッチであるかを確認するためには,自分に対して以下の質問をしてみるとよいそうです。

 

「いくらまでなら失っても仕方がないと諦めることができるか?」

 

これはどういうことかというと,たぶんですが,どんなことであれ,お金を手に入れるためには,まずお金を払う必要がある,ということなのだと思います。

 

飲食店をやるにしても,いきなりお金は入ってくるわけではなく,まずは家賃を払って場所を借り,代金を払って食材を仕入れなければ,飲食店が始まらないわけで,「家賃を払うのもイヤ,食材の代金を支払うのもイヤ」ということでは,永遠に売上げを得ることはできないわけです。

これが「月に数十万円くらい損してもいいよ」ということになると,小さな居酒屋くらいはできるかも知れません。そうすれば,ちょっとくらいお金が手に入るかも知れません。

これがさらに,損してもいい金額が何百万,何千万,何億と増えていけば,いい場所にお店を何店舗も出して,美味しい料理を出して,人も雇って,広告もして,と,事業が展開できますので,手に入れられるお金もどんと大きくなりそうです。

 

つまり,失っても仕方がないと思える金額が大きければ大きいほど,手に入れられる金額も大きくなるということなんじゃないかと思うわけです。

 

僕は,この話をこのように理解して,「なるほどなぁ」と思い,自分のマインドの中で「損してもOK」な金額を上げるべく,自問自答しました。

 

「1万円なくしたらどう思う?もったいないけど,仕方がないねで終わる話だわ。昔は1万円損したら絶望的な気持ちになったけど,今はそこまででもないかな。じゃあ10万円だったどうだ?もったいないけど,仕方がないものは仕方がないわ。10万円なくなったから死ぬわけじゃないし,大したことないな。いや,よく考えたら別に100万円損しても別に死にはしないわ!100万円損しても全然いいわ!!

と,自分の意識の中における失ってもよい金額の範囲を拡大していき,リッチの階段を1段1段のぼっていったわけです。

 


そんな中,今週の月曜日,愛用しているとあるネット銀行の口座からゆうちょ銀行の口座へ15万円ほど振り込む手続を行ったんですが,振込完了後,振込先として表示された口座の名義が知らない名前になっていたことに気づいたんです。

 

「あれー変だなーおかしいなー怖いな-」って思いながら色々と確認していたんですが,要するに誤振込をしてしまったようなんです。

ゆうちょ銀行って,他の普通の銀行から振り込むときの口座番号が独特で,ネットで調べなければならないので,ネットで調べながらタブを行ったり来たりして振り込んだんですが,その結果,よくよく確認すると,口座番号の数字が1か所間違っていたんです。

 

最初は,「あれー,間違ったや,てへぺろ」程度に思っていたんですが,冷静によくよく考えると,振込処理は完了してしまっているのでもう取り消せません。

 

初めて「誤振込」というものをしてしまいましたが,振込は振り込んでしまうともうなかったことにはできないんですよ。

 

厳しい現実を理解した私は,そのとき,こう思ってしまったんです。

 

「うわー,15万円損したっー!これは痛ぇぇぇ!」

 

 

この見ず知らずの人のゆうちょ銀行の口座には,見ず知らずの僕から,なぜか,15万円が入金になっているはずです。

この見ず知らずの人にこの15万円をおろす権利があるのかといいますと,誤振込されたお金でも払い戻す権利があるということが最高裁判所第二小法廷の平成8年4月26日判決で確定しているわけです。

しかしながら,誤振込であることを知りながら黙って払い戻すと詐欺罪になるというこも最高裁判所第二小法廷の平成15年3月12日決定で確定しているわけです。

「払い戻す権利はあるが,払い戻したら詐欺罪」ってどうなの?という,法律を勉強する人にとっては興味深い論点ではありますが,いざ当事者になってみると,当事者にとってはどうでもいい話で,いいから俺のお金を戻してくれ,と思うわけです。

 

そして,速攻でそのネット銀行に電話して,組戻しを依頼したわけです。

 

組戻しっていうのが何なのかといいますと,私も詳しくは分かりませんが,誤振込を受けた人の承諾を得てお金を戻すことのようで,承諾が得られなければ戻してはくれないそうです。

今回の場合でいうと,ネット銀行からゆうちょ銀行に連絡が行き,その後,ゆうちょ銀行から誤振込先の口座名義人に連絡して「間違って振り込まれたので戻してもいいですか?」と聞き,その口座名義人が「いいですよ」となると,お金を戻してもらえるようですが,口座名義人に「いやだ」と言われたり,あるいは連絡取れず承諾が得られなければ戻ってこないようです。

・・・これは戻ってこない可能性も相当ありそうです。

戻ってこない場合はどうするかといいますと,裁判起こすしかないわけです。

 

 

その日以来,ふと,15万円のことを考えてしまいます。

 

15万円戻ってくるかなぁ。

 

口座の名義人の人は組戻しを承諾してくれるかなぁ。払い戻したら詐欺罪なんだから,普通は拒否はしないだろうけど,連絡取れないということはあり得るなぁ。

 

なんなら戻してくれるのであれば1割あげてもいいから戻して欲しいわぁ。

 

戻ってこなかったらどうしよう,裁判かなぁ。15万円のために弁護士頼んだら赤字だわ。でも自分で裁判やるのもちょっとなぁ。

 

15万円あったら2晩くらい飲み歩けたかもなぁ。

 

15万円っていったら若者の月給くらいじゃないか。

 

15万円ただ失うくらいだったら,がっつり下がった中国株買った方がまだ可能性があったんじゃないだろうか・・・

 

15万円あれば・・・

 

15万円あれば・・・

 

15万円あれば・・・

 

 


そこで「はっ」と気づいたんです。

 

「はっ,100万円損してもよいマインドになっていたはずなのに!」

 

「はっ,よく考えたら無駄に使ったお金は今年だけでも15万円どころではないわ!」

 

「はっ,さらに考えたら自分なんかより歌舞伎町でぼったくられた人の方がかわいそうなんじゃないだろうか!!」

 

「はっ,「歌舞伎町 ぼったくり」でググったら,これはかわいそう!!!」


そう気づくと,15万円が戻ってこなくても別にいいや,戻ってきたらラッキー,戻ってきたところでどうせ飲み代に消えるだけだし,と思えるようになりました。

決して自分より不幸な人を見つけて安心しているのではありません。

自分の問題がちっぽけだと気づいただけです。

 

しかし,歌舞伎町のぼったくりで,勇気を出して抗議して警察行っている人はすごいですね。自分だったら怖くて抗議できないかも知れません。私と同じく怖くて抗議できない人もいっぱいいるんだと思いますが,ゴールデンアドバイスとしては,最後,どうしようもない,払うしかない,という状況まで行ってしまったときは,現金ではなくクレジットカードで払うことをおすすめします。

現金で払ってしまったらそのお金を取り戻すことは100%不可能ですが,クレジットカード払いであれば,後から支払を拒否できる可能性がありますので。支払停止の抗弁権っていうすばらしい権利がありますからね。

もちろん,クレジットカード払いだとしても最終的に支払わなければならないことはありますが,それでダメだとしてもダメでもともとじゃないですか。

その場で現金払いだったら争えるチャンスはその場の1回だけで,しかも正々堂々法律で争うことなどできませんが,クレジットカードで払えば,後から正々堂々と法律で争えるチャンスがもらえるのですから,数百倍ましです。

「ヤバいと思ったらクレジットカード払い」を徹底しましょう。