今世紀百物語

生きているのか死んでいるのか

すすきのでガールズバーのガールについて行って気が付いたこと

今年も師走に入り、忘年会シーズンがやって来てしまいました。

忘年会といえば、おっさんの乾杯のご発声を聞いて、おっさんからおっさんに関するうわさ話とかを聞いて、そのうちおっさんが「宴もたけなわですが」とか言い出すのを聞いて、おっさんが締めの乾杯をしたら帰れるという我が国伝統の儀式ですが、そこからが本番です。一連の儀式は、やたら挨拶の長い終業式みたいなものです。晩酌前のサウナみたいなものです。待ち時間のやたら長い星組みたいなものです。後のお楽しみをお預けにすることによって楽しみを二倍三倍にするための焦らしみたいなアップみたいなものなのです。さすが先人の知恵は偉大です。伝統が伝統になるにはそれなりの理由があるのです。

締めの乾杯という号砲の後間もなく、おっさんらによる「もう一軒行きますか」的な協議が行なわれます。ここが正念場です。私には理解できませんが、世の中には、おっさんのうわさ話とか、いかに世の中に間違っているおっさんが多いか、などという話を他のおっさんに聞かせたくてたまらないおっさんが結構たくさんいるのです。そんなおっさんの主導で二次会について行ってしまうと、飯がうまいわけでもない、酒が美味しいわけでもない、店員さんが可愛いわけでもない、非常に残念なお店に連れて行かれ、おっさんによるおっさんについてのおっさんのためのおっさんの話を終電まで聞かされることになります。そんな二次会について行くくらいなら、南5西5の客引きについて行った方がまだ人生にとってプラスの経験になりそうです。危険を感じたら、早めに離脱するに限ります。

そういうわけで、師走に入って間もない先週のとある日、忘年会を終えて、危険を感じて早めに離脱し、ラーメン食って帰ろうと思い、「ガールズバーいかがっすかー」とつぶやくガールズたちの行列をくぐり抜け、いそのかづおへ向かって歩いていたんです。

すると、ビルの陰に、可愛めの1人のガールがぽつんと立っていたんです。こんなところでかくれんぼでもしてるのかなぁ、それともオバケかなぁ、怖いなぁ、と思いながら、ついジロジロ変態な目で見てしまったんです。
しかし、目が合ったのに例の決め台詞「ガールズバーいかがっすかー」とも言わず、ただ立っているだけなんです。
そんなとき、人間は自分でも予想できない行動をとってしまうものです。反射的に「あなたの店行きます」と言ってしまったんです。しまった!新手の客引き手法か!してやられた!

ガールが付いて来いというので、ついて行きました。店の名前も料金も聞かずについて行くなんて飛んで火に入る夏の虫ではないかと自己嫌悪に陥りかけながらガールについて行くと、何とガールがライラック通りに入って行こうとするではないですか! ボッタくり店が軒を連ねることで有名だったライラック通り。最近は浄化されて良さげな飲み屋もあるそうですが、札幌ではライラック通りには行ってはならないと高校で習いますので、本能的に危険を感じてしまいます。

しかし、ガールは、「ここは危険だから1人では通っちゃダメってお店の人に言われてるけど、1人じゃないから通れる」とか言ってスタスタとライラック通りに入って行きます。もうそれを聞いたらついて行くしかないじゃないですか。自分がついて行くのをやめたらガールがライラック通りで1人になって、ガールがお店の人に怒られるかもしれないし、ガールが危険な目にあうかもしれませんからね。まったく、このガールはメンタリストでしょうか!
そうしてライラック通りを通り過ぎ、出口の角にある、名案内コナンのあるビルの横の階段をあがって、2階に連れて行かれたんです。
その階段をあがっている途中、気がついたんです。
 
「あっ、左ヒザの皿の下が痛い」と。
 
そのとき、「次の水曜日病院行こう」と決意しました。
ここまで読んだ方は、このガールズバーの件がどうなったのかよりも私が病院に行った結果どうだったかの方が気になると思いますので、病院に行った結果については今度書こうと思います。
他方、このガールズバーについて気になる人はあまりいないとは思いますので、気が向いたら書こうと思いますが、結論だけ言うとボッタクリでは全くなく、非常にオススメな優良店でした。
ありがとうございました。