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今世紀百物語

生きているのか死んでいるのか

ペナン島

早朝,バタワースに到着する。
駅から出てすぐ目の前に,ペナン島行きの船乗り場がある。
しかし,朝早すぎて,まだ開いていない。
同じ汽車でやってきて,船乗り場が空くのを待っているバックパッカーや地元人がうろうろしている。
暇そうにしていると,同じく暇そうなマレーシア人のおっさんが話しかけてきた。

- ペナン島へ行くのか。
- そうだ。
- 日本人?
- そう。
- どこから来た?
- シンガポールからマラッカ,クアラルンプールを通って,ここまで来た。
- 日本人の友達がいる。彼は,しょっちゅう休みをとって,その度にペナン島に来る。日本の東京で働いている。ストレスが溜まるらしい。ストレス発散のために来ているらしい。今度,彼が一緒に来て,プーケットへ行く。
- プーケット?大丈夫?
- 全然問題ない。安全だ。全く問題ない。津波で亡くなった人のためにお祈りをしに行く。なんなら一緒に行かないか?
- やめておく。
- 大丈夫,安全だ。問題ない。祈りに行こう。
- いや,とりあえずペナン島行くから。

話しているうちに船乗り場が空いたので,そう言って振り切って立ち去る。
船に乗ってペナン島へ向かう。ペナン島は高いビルもあり,豪華な橋もかかっていて,建物もたくさんあって,超大都会。それに比べて,対岸のマレー半島側は,すごく田舎。なんで本土じゃなくて島の方が栄えているんだろう。

目星を付けた宿を目指す。
宿が集まるあたりには,安宿が並んでいる。欧米人の若いカップルが昼寝している。それを見て,ここはリゾート地なんだと気づいた。
宿にチェックインした後,一休みして,散歩に出掛ける。

ペナン島の古い町を歩いてみる。ジョージタウンというらしい。
植民地時代の趣のある英風の建物が並んでいる。なかなかきれい。
海沿いを歩くと,軍の施設などの建物がある。
その先,ふと,建物が切れたところで,海が見えた。
この世のものとは思えない美しさの海。空は快晴で真っ青で,海もまさに南の海。
東南アジアに来てから陸地ばかり移動していて,船には乗ったけれども海はよく見ていなかったので,ここの海がこんなにもきれいだとはそれまで気づかなかった。
死ぬときにはこの光景を見て死ねたら幸せだと思うくらいの美しさだった。

それにしても天気が良すぎて暑い。。

その後,散歩してから,宿に戻り,寝る。
先は長いので,明日はいよいよ一気にバンコクに行こうと思う。