今世紀百物語

生きているのか死んでいるのか

味の来々軒のこと

初めて来々軒に行ったのは数年前のことだ。

一緒に飲みに行った社長に連れて行かれた。

 

かなり年配のオヤジと若いフィリピーナ?の従業員が店を切り盛りしている。

オヤジはラーメンをつくる。

フィリピーナはたいてい、スマホをいじっている。ときどきラーメンを出すのを手伝う。

 

オヤジは、こう言う。

 

「うちはしょうゆラーメンがおすすめなんだわ」

 

「札幌ラーメンといえば味噌だと思われてるけど、もともとはしょうゆなんだよ」

 

また、オヤジは、こうも言う。

 

「うちはチャーシューが自慢なんだよ」

 

オヤジのおすすめに従ってしょうゆラーメンを注文する。

数分後、オヤジができたてのしょうゆラーメンを差し出す。

オヤジは、カウンターに寄りかかって、俺がラーメンを食べる様子を見ている。

大きな期待を旨に、ひとすすりする。

そしてむせる。

心の中でこう叫ぶ。

 

「味しねぇ!」

 

そんなわけないだろうと思い、もうひとすすりする。

 

「やっぱり味しねぇ!」

 

オヤジの方を見ると、とんでもないドヤ顔でこちらを見ている。

「な?うまいだろ?」とでも言いたげだ。

 

オヤジが自慢だというチャーシューを食べてみる。

 

「固っ!」「そして冷たっ!」「しょっぱ!」

 

チルド室から出したばかりのような冷たさ。

文庫本くらいの分厚さ。

自慢のチャーシューがそんなわけないだろうと思ってもうひとくち食べてみるが、やはり、固くて、冷たくて、しょっぱい。

 

そうして、カッチカチのチャーシューをときどき挟みながら、

「味しねぇ!」

「そんなわけないだろう」

「やっぱり味しねぇ!」

という自問自答を繰り返していると、いつの間にか完食してしまう。

この間、オヤジは、ずっと、カウンターに寄りかかりながら、とんでもないドヤ顔で俺を見ている。

 

食べ終わると、罰金を支払うような気持ちで代金を支払い、店を出る。

店を出るときも、オヤジは、とんでもないドヤ顔でこちらを見てくる。

「うまかっただろ?」と、表情でプレッシャーをかけてくる。

プレッシャーに負けて、「いやーうまかったです」と言うと、オヤジは満足そうに笑う。

 

 


店を出ると、この店にはもう二度と来ないと誓うのだ。

どうしてこんなに味がしないラーメンがつくれるのか。

どうしてこのラーメンであのドヤ顔ができるのか。

行く意味が分からない。

もう二度と行かない。

 

 

しかし、数日後、自問自答が始まるのだ。

「800円のラーメンが味しないわけないんじゃないだろうか」

「あんなに黒いスープが味しないわけないだろ」

「味の来々軒なのに味がしないわけないだろ」

「そんなカッチカチのチャーシューが出るわけないんじゃないか」

「ラーメン横丁の老舗のラーメンが味しないってことはないだろう。

「昔風すぎて物足りないとか、コクが足りないとか、そういうことはあるとしても、味しないわけないだろう」

「けっこう酔っ払ってたから、記憶違いかもしれない」

「ちょっと確かめに行こう」

 

そうして、再び、来々軒に行ってしまうのだ。

 


再訪すると、いつものように、オヤジとフィリピーナが出迎える。

ちなみに、しばらくの間、若いフィリピーナはオヤジの妻で年の差カップルなのかなと勘違いしていたが、実際はフィリピーナはオヤジの嫁ではなく、オヤジの甥っ子の嫁だということが後に分かった。

 

ラーメン横丁は観光名所なので、どの店も観光客でいっぱいだ。

しかし、来々軒には、ぜんぜん客がいない。

 

オヤジによると、しょうゆがおすすめで、チャーシューが自慢なのだから、正解はしょうゆチャーシュー麺ということになるはずだ。

そう考えてしょうゆチャーシューを注文すると、オヤジは、「わかってるじゃねぇか」とでも言うようなドヤ顔をする。

 

数分後、しょうゆチャーシューが出てくる。

どんぶりの一面に、文庫本の厚さのチャーシューがちりばめられている。

スープは黒い。

麺も伝統的な札幌ラーメンらしい黄色いちぢれ麺だ。

値段も1000円と安くない。

これが美味いかどうかはともかく、そもそも味がしないなんてことがあるわけがない。

そう思い、麺をひとくちすすると、ブフォッとむせる。

 

「やっぱり味しねぇ!」

 

ひとくちめは必ずむせてしまう。

きっと、視覚と味覚の情報がまったく一致しないため、身体がびっくりするのだ。

 

チャーシューを食べてみる。

 

「固!冷た!しょっぱ!」

 

やはりカッチカチでしょっぱい。

 

来々軒でチャーシュー麺を食べた夜はいつも、必ず夜中にのどが渇いて目が覚めてしまう。

夜中に冷蔵庫から水を出して飲む。

きっとチャーシューがしょっぱすぎるのだ。

 

そうして、

「味しねぇ!」

「そんなわけないだろう」

「やっぱり味しねぇ!」

「チャーシュー固っ!冷たっ!しょっぱ!」

「そんなわけないだろう」

「やっぱり固!冷た!しょっぱ!」

という自問自答を繰り返しているうちに、いつの間にか完食してしまうのだ。

 

食べ終えると、ドヤ顔のオヤジに罰金1000円を支払い、「いやぁうまかったです」と言って店を出る。

そして二度と行かないと誓う。

誓うのだが、数日後、やはり、そんなわけないだろう、と思いなおし、再び行ってしまう。

 

 

これを繰り返しているうちに、来々軒の常連となってしまった。

そして、いつのまにか、来々軒のしょうゆチャーシュー麺を定期的に食べないとダメな身体になってしまったのだ。

 

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来来軒の価値を知る札幌市民は多くない。ましてや市民でない奴らには...

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#来来軒 #僕のラーメン日記 愛想のないチャイニーズガールの接客を欲したときは来来軒へ。

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#味の来々軒 #僕のラーメン日記びっくりするほどぜんぜん美味しくない。なのにどうして時々来てしまうのだろうか。

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#来来軒このチャーシューを見よ!

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バカな...

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またとんでもないものを喰ってしまつた#味の来々軒

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#ラーメン横丁 #来々軒

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なんだって?#来々軒

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#JesusRamen

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#味の来々軒またこれを喰ってしまった

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#味の来々軒十中八九やってない

 


そんな来々軒が、どうやら閉店したらしい。

平成30年2月10日が最後のしょうゆチャーシューとなってしまった。

 

来々軒は私の人生のうちの数年間、生活の一部でした。

素敵な来々軒生活をありがとうございました。

「株式会社」の前後にスペースを入れる誤りとの戦いの事

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「株式会社 楽天」などのように「株式会社」の前後にスペースを入れる人がいるが、私の説によればこれは誤りである。
しかしながら、通知書や契約書などをリーガルチェックしていると、「株式会社」の前後にスペースが入っていることがあまりに多く、訂正するのももう嫌になってきた。
そこで、このイライラを解消するため、「株式会社」の前後にスペースを入れることが法律的に誤りであるという自説を展開してみたいと思う。

株式会社は「人」である

会社は法人である。

会社法
第3条  会社は、法人とする。

「法人」とは、人間ではないけれども、法律によって「人」とみなすことにした存在である。人間ではないけれども、人間と同じように、権利義務の主体となることができるものとみなされている。人間でないものを人間とみなすものであり、法律で定められたフィクションである。

株式会社の名前は「人の名前」である

法人は「人」だから、株式会社の名称は「人の名前」である。
会社の名前のことを「商号」という(厳密には、会社の名前が会社の商号となる。)。

第6条 会社は、その名称を商号とする。

「株式会社」は,株式会社の名前の一部である

法人は法律で定められたフィクションであり、法律の定める制約の範囲でのみその存在が擬制されるものであるから、そのあり方もすべて法律で決められた制約に従うことになる。名前も同じであり、自由には決められず、法律の制約に従って名前を決めなければならない。
そして、法律では、株式会社の商号には「株式会社」という文字をその商号中に使用しなければならない。

会社法

第6条

2  会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。

これは何を意味するかというと、「株式会社」の部分も会社の名前の一部であるということである。

株式会社楽天という会社の名前は「株式会社楽天」であり、ソニー株式会社という会社の名前は「ソニー株式会社」なのであって、「楽天」とか「ソニー」だけでは、会社の名前としては不十分(名前の一部に過ぎない)ということである。

「株式会社」の前後にスペースが入る株式会社は存在しない

また、以下の理由により、株式会社の商号では、「株式会社」の前後にはスペース(空白)は入れることができない。

株式会社は、設立の登記がされて初めて法律によって存在が擬制されるものである。

会社法

第49条  株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。

そして、その登記にあたっては、その株式会社の名前たる「商号」も登記しなければならない。

会社法

911条  株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。
(略)
3  第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。
(略)
二  商号
(略)

商号を登記するときに使える文字は決まっており、スペースは、ローマ字を用いて複数の単語を表現する場合に限り、当該単語の間を区切るために使うことができることとされている。

商業登記規則

第50条  商号を登記するには、ローマ字その他の符号で法務大臣の指定するものを用いることができる。

法務大臣の指定)

※なお,ローマ字を用いて複数の単語を表記する場合に限り,当該単語の間を区切るために空白(スペース)を用いることもできます。

つまり、「株式会社Start Today」のように商号にローマ字を用いるときに、StartとTodayを区切るためにスペースを用いることができる。それ以外の場合には、商号にスペースを用いることはできない。スペースを用いることができるのはローマ字の単語とローマ字の単語を区切るときだけだから、「株式会社」とそれ以外の単語を区切るためにスペースを用いることはできない。「株式会社 Start Today」はダメである。
そうすると、株式会社の前後にスペースが来ることはありえない。すなわち、「株式会社」の前後にスペースが来る名前の株式会社は存在しない。

「株式会社」の前後にスペースを入れるのは、人の名前に余計なものを付け加えるのと同じである

このように、商号は、株式会社という人の名前であり、これを正確に表示しようとするのであれば、勝手に余計なものを付け加えてはならない。

スペース(空白)も同じである。「株式会社」の前後にスペースが入る名前の株式会社は存在しないのであるから,名前を正確に表示しようとするのであれば,スペースを勝手に付け加えてはならない。

株式会社楽天の名前は「株式会社楽天」なのであり、名前に勝手にスペースを入れて「株式会社 楽天」と書くのは、「株式会 社楽天」と書くのと同じように誤りである。

以上のとおり、「株式会社」の前後にスペースを入れるのは間違いである。

サービスの名称に付け加えるのは,人の名前に余計なものを付け加えるのと同じである

なお、会社の正式な名前を表示しようとするときには,商号に何かを付け足すこともしてはならない。

ときどき、「株式会社スタートトゥデイ ZOZOTOWN(以下「甲」という。)とXXX(以下「乙」という。)は・・・」というように、会社が営んでいるサービスの名称が付け加えられていることがある。
しかしながら、あくまで会社の名前は「株式会社スタートトゥデイ」であり、「株式会社スタートトゥデイ ZOZOTOWN」という名前ではない。「ZOZOTOWN」の部分は、ひとの名前に付け加えられた余計なものである。契約書で「山本太郎 元俳優(以下「甲」という。)とXXXは・・・」と書かないのと同じように、契約書で「株式会社スタートトゥデイ ZOZOTOWN(以下「甲」という。)とXXX(以下「乙」という。)は・・・」とは書かない。

「株式会社」の省略は,名前の一部の省略である

また、「株式会社」の部分も会社の名前の一部なのであるから、会社の正式な名前を表示しようとするときには、「株式会社」の部分は省略してはならない。

まれに、「株式会社」を省略して「楽天(以下「甲」という。)とソニー(以下「乙」という。)は・・・」という契約書を見かけるが,「株式会社」を省略するのは、人の名前の一部を省略することであり,山本太郎を太郎と呼ぶのと同じである。

山本太郎山本一郎が契約書を取り交わすときに「太郎(以下「甲」という。)と一郎(以下「乙」という。)は・・・」と書かないのと同じように、株式会社楽天ソニー株式会社が取り交わす契約書で「楽天(以下「甲」という。)とソニー(以下「乙」という。)は・・・」とは書かない。「株式会社」を省略せず、必ず、「株式会社楽天(以下「甲」という。)とソニー株式会社(以下「乙」という。)は・・・」と書かなければならない。

サービスの名称を書くのは,人の名前を間違えるのと同じである

ひどいときには、「ZOZOTOWN(以下「甲」という。)とXXX(以下「乙」という。)は・・・」というように、会社の名称を表示せず、会社が営んでいるサービスの名称が表示されていることもある。

ZOZOTOWNは株式会社スタートトゥデイが提供しているサービスであり、ZOZOTOWN自体は人ではない。サービスに過ぎないZOZOTOWNそれ自体は権利義務の主体にはなれず、契約を締結することはもできない。契約を締結する当事者はあくまで人たる株式会社スタートトゥデイである。トヨタ自動車株式会社が契約を締結することはできるが、プリウスは契約を締結することができないのと同じである。
なので、「ZOZOTOWN(以下「甲」という。)とXXX(以下「乙」という。)は・・・」という契約書は、当事者たる人の名前を間違っており、全然ダメである。

株式会社の名前と人間の氏名とは違う

なお、人間の名前の場合は「山本 太郎」のように氏と名の間にスペースを入れることがあり、これは誤りであるとは言い切れないが、それは、法人と異なり自然人には上記のような名前のルールはなく、かつ、人間の名前が「氏」と「名」という2つの部分から構成されているからである。「山本」も「太郎」もそれぞれその人を表す名前あり、「山本太郎」と合成されて初めてその人の名前となるわけではない。「山本」も山本太郎の名前であるし、「太郎」も山本太郎の名前である。だから、氏と名の区分を表示するために、氏と名の間にスペースを入れることがあり、そうしたとしても間違いであるとは言い切れない。

他方で、株式会社の商号は、「株式会社楽天」で初めて1つの名前である。「株式会社」と「楽天」の2つの部分から構成されているわけではない。「株式会社」が株式会社楽天の名前ではないのと同じように,「楽天」も、株式会社楽天の名前としては間違っている。「株式会社」も「楽天」もそれぞれ意味をもつ単語ではあるが、これらの単語と「株式会社楽天」とは別の単語である。

前株とか後株とかいう言葉もあるけれども,「株式会社」は商号の中に含まれればよいのであって、前か後でなければいけないわけではない。だから、中株というものもあり得る。「諸行無常株式会社盛者必衰」とか「ドキドキ株式会社モーニング」という会社だってあり得る。これらも,「ドキドキ株式会社モーニング」で初めて1つの名前なのであって、「ドキドキ」「株式会社」「モーニング」の3つの部分から構成されているわけではない。

三軒茶屋」と同じである。「三軒茶屋」は「三軒茶屋」で初めて1つの地名である。「三軒」も「茶屋」もそれぞれ意味を持つ単語ではあるが、「三軒茶屋」とは別の単語である。三軒茶屋のことを「三軒」と呼んだら間違いであるし、「茶屋」と呼んでも間違いである。だから,三軒茶屋のことを「三軒 茶屋」と書く人はいないし、そう書いたら誤りである。

あるいは,「メロンパン」と同じである。「メロンパン」は「メロンパン」で1つのパンの名前である。「メロン」も「パン」もそれぞれ意味を持つ単語であるが,「メロンパン」とは別の単語である。メロンパンのことを「メロン」と呼んだら間違いであるし、「パン」と呼んでも正確ではない。だから、メロンパンのことを「メロン パン」と書く人はいないし、そう書いたら誤りである。

結語

以上のとおり、「株式会社」の前後にスペースを入れるのは間違いなので、みなさん即刻やめてください。

ついでに、会社の名前にサービス名を付け加えたり、「株式会社」を省略したり、当事者名にサービス名を書いたりするのも大間違いなので、みなさん即刻やめてください。

 

銀翹散に喉を救われたこと

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉がありますが、健康に関して言えば自分は全くその言葉のとおりです。

具合が悪いときはそのことばっかり考えてしまい、もう生きているのも嫌になるほど落ち込みます。
それなのに、治ってしまうと、具合が悪かったことなどすっかり忘れ、まるで自分が一度も病気したことのない完全健康体であるかのように思ってしまいます。

ですので、未来の自分のために、ここに闘病日記を記しておきたいと思います。

プロローグ

11月4日金曜日の夜、とある大忘年会が開催されたわけですが、そのとき、ちょっと喉に違和感を感じました。それでも「まぁ気のせいだろう」と無視して、カラオケなど歌ってしまい、〆のラーメンも食べてしまったわけです。

そして翌日、午後から仕事があり、しかも、某セミナーで30分ほど講演をするという仕事で、当然のことながら30分ほどしゃべり続けたわけです。このときも、何か喉に違和感があったのですが、気合いで乗り切って声を出していました。

そのセミナーが終わったあと、喉を酷使した結果か、あるいは急に気が抜けてしまったのか、喉の違和感が喉の痛みに変わり、「これは風邪かもしれない」という段階に至りました。しかし、他方では、「もしかしたら風邪ではなくてただの寝不足&二日酔いかも」という思いもありました。

そんなことを思いながら就寝し、日曜の朝に起きてみた結果、これがただの寝不足や二日酔いなどではなく、喉の風邪だ、という確信するに至りました。

ここから、私の闘病が始まったわけです。

何とペラックT錠が効かない

喉が痛いときに超絶効果があるとして有名な市販薬に、ペラックT錠があります。「喉が痛い」で検索すると、すぐに、ペラックT錠を絶賛する記事がたくさん見つかります。

私も喉が弱く、風邪をひくときはいつも最初に喉が痛くなりますので、以前からペラックT錠を愛用しており、過去に何度もペラックT錠に救われてきました。

今回もこれで楽勝だろう、と思い、ペラックT錠を飲みました。

しかし、良くなりません。

翌日の月曜日、朝起きてみると、良くなるどころか、喉の痛みがひどくなっているではありませんか。
「ペラックT錠が効かないはずがない!ここが勝負どころだ!」と思い、昼も夜もペラックT錠を飲み続け、安静にしていましたが、喉の症状はますます悪化するのみです。

私はこう思いました。

「今回の風邪はペラックT錠は効かないやつだ」

エゾエースは高い

ところで、風邪をひいてツルハドラッグに行くと、必ずと言って良いほど、「エゾエース」が猛プッシュされています。

1本400円くらいするのでけっこう高いのですが、風邪で弱った身体でドラッグストアに行き、「これで滋養強壮で風邪も吹き飛ぶ!」みたいなことが書かれたポップを見ると、必ずと言ってよいほど買ってしまいます。

そして、藁をも掴む思いでエゾエースを飲み、風邪からの回復を祈るわけです。
しかしながら、風邪が治ってしまうと、エゾエースのことなど無かったことのようにすっかり忘れてしまうのです。

この闘病記録は、このエゾエースように、風邪をひいている最中は重要なことだと思っているのに、風邪が治ったとたんにすっかり忘れてしまう存在について、書き留めておくことを目的としています。
そのため、風邪をひいたら必ずといって良いほど買っているくせに、風邪が治ったとたんにその存在すら頭から消え去るこのエゾエースについて、書き記しておきたいと思います。

「エゾエース」で検索するとわりとトップの方にツルハのホームページが出てくるほど、ツルハと特別な関係にあるエゾエースですが、エゾエースの主成分はエゾウコギ乾燥エキスだとのことです。
ではこのエゾウコギとは何なのかというと、ちゃんとウィキペディアに記載されていました。

エゾウコギ - Wikipedia

ウィキペディアによると、エゾウコギは、ウコギ科の落葉低木で、薬用植物であるとのことであり、シベリア人参とも呼ばれることがあるそうです。北海道やアムール州、サハリン州、中国の黒竜江省、吉林省に分布するそうで、まさに文字どおりエゾウコギ、シベリア人参といえます。
旧ソ連の科学アカデミーが薬用としての研究を開始したとされ、1980年のモスクワオリンピックではソ連がこれを選手団の強化に利用していたとして話題になったそうです。こうなると効き目がありそうな気がしてきます。
エゾウコギは、アイヌ民族が民間薬として用いていたそうで、そう聞くとますます効き目がありそうな気がしてきますが、和人はその価値を知らずに、雑草として、見つけると片端から駆除を行っていたそうです。和人は馬鹿ですね。
滋養強壮や抗ストレス作用の効果があるとのことですが、よく分かりません。
要するに、エゾエースとは「効きそうな草(合法)」のエキスである、という理解で間違いないようです。
このようにして、風邪をひいたと認識してすぐにエゾエースを飲んだわけですが、いつもどおり、全然効きませんでした。和人だからでしょうか。

私はこう思いました。

「エゾエースは少なくとも400円分の効き目まではなさそうだ」

アズレン系のどスプレーも効かない

11月7日月曜日、仕事が始まりましたが、喉の痛みはますますひどくなり、仕事どころではありません。
必要なこと以外は一切しゃべらず安静にしていますが、良くなる気配は全くなく、心の中では、喉痛いよー、喉痛いよー、と泣いている自分を認識します。
これは長期戦になることを覚悟し、11月8日に予定されていた飲み会をキャンセルします。
ペラックT錠飲んでも全然良くならず、むしろ悪化している、という状況は初めてのことであり、どう対処して良いのか分かりません。

11月8日火曜日、状況はさらに悪化しています。
火曜日の朝に起きてみたら、もう喉の全体がひりひりびりびりで、直視できるとしたらおそらく全部真っ赤っかで、コンクリート路面で膝をすりむいたときみたいな状態になっているとしか思えないほどの痛さです。
言葉を発することもぎりぎりで、ほとんど言葉を発しないでいましたが、どうしても何かを話さなければならないときは泣きながら話すような感じです。
もう生きているのも辛いという感じです。
こうなると、風邪が治る治らないとかよりも、この症状をとにかく消して欲しいと思うようになります。風邪なんてどうしても数日では治らない。そうであれば、症状だけ消してくれればよい。こんな症状を抱えるなら死んだ方がまし。これが緩和ケアというものでしょうか。もっときびしい闘病をしている人がたくさんいるであろうのに自分はチキンで申し訳ありませんが、自分としては喉が痛いだけでもそう考えてしまうほどの辛さなわけです。

何らかの新しい対処が必要であると考え、色々とネットサーフィンした結果、どうやらアズレン系ののどスプレーやうがい薬が抗炎症作用があって良いらしいことが分かりました。

jushinkai.doorblog.jp

「これだ!」と思い、早速、ツルハドラッグに行き、アズレン系ののどスプレーを買ってきました。

そして、これを、できるだけ患部に直接あたるように、シューッ!シューッ!とかけたところ、なんかヒリヒリします。
これを何回かに分けてやってみましたが、全然良くなりません。
次の日、水曜日になっても、全然良くなってる気がしません。

私はこう思いました。

「これは僕には効かない」

救世主=銀翹散(ぎんぎょうさん)との出会い

11月9日水曜日、闘病生活も数日が経過しましたが、いっこうに良くなる気配がなく、泣かずにしゃべることもできません。
本当に何かほかによい方法がないか、必死でネットサーフィンした結果、喉の痛みには桔梗湯が効く、と書いてあるのを発見しました。

桔梗湯は漢方薬で、患部に触れるように、お湯に溶かしてちびちび飲むのがいいそうです。本当かどうか分かりませんが、もうこうなったら何でも試してみるほかないと思い、早速、ツルハドラッグに行ってみましたが、残念なことに桔梗湯は売ってませんでした。
その代わり、銀翹散という漢方薬が、喉の痛みに効く薬として売っていました。
桔梗湯でなければ意味ないじゃんどうしよう、と迷ったものの、銀翹散の中味を見てみると桔梗も入っているようだったので、とりあえず買って帰ろうと思い、買って帰りました。

そうしてから改めて銀翹散について調べてみたところ、10種類の生薬からつくられる漢方薬で、なんかインフルエンザにも効くみたいなことが出てきます。インフルエンザに効くわけないだろうと半信半疑に思いながら、コーヒーカップにお湯を注ぎ、銀翹散を入れ、混ぜます。

https://www.instagram.com/p/BMqP6EfDy8X/

見た目のとおり、そこらへんに生えてる草でつくった草団子をお湯に溶かして混ぜたみたいなにおいがします。
そして、これをちびちび飲んでみたところ、ひとくちで分かりました。

「これは効く」
と。

飲むまではもう喉がギンギンに燃えさかっていたのが、消火器で消したかのように急にしゅんとおとなしくなっていくのが分かります。
このとき、西洋医学の敗北を悟りました。銀翹散はすごいと。インフルエンザにも効くというのもあながち嘘ではないかも知れない。
そうして、銀翹散を飲めば治ると悟った私は、1日3回と書いてあるのに、朝と昼と夕方と夜の4回も飲み続け、今日に至ります。

桔梗湯トローチは効かない

銀翹散のすごさに圧倒され、「もしかしたら買い損ねた桔梗湯も同じくらい効くのでは。」と思い、狸小路のマツモトキヨシに行き、桔梗湯トローチを買いました。

 朝昼夕夜に銀翹散を飲みつつ、その間にこの桔梗湯トローチをなめてみましたが、あまり効き目を感じませんでした。

龍角散はよく分からない

桔梗湯トローチの効果の感じなさにがっかりしながらも、さらに桔梗について調べてみると、龍角散にも桔梗が入っていることが分かりました。
巷では「龍角散のどすっきり飴」とか「龍角散ダイレクト」などといったライトな商品が広く売られていますが、元祖の龍角散はもっとやばそうなやつです。

銀色の入れ物に入っている白い粉を舌の上に乗せ、唾液で少しずつ溶かしながら飲むという、非常に怪しげな飲み方をするものです。

これも試してみましたが、効果があるようなないような、よく分かりませんでした。

龍角散ののどすっきり飴は素晴らしい

龍角散は効いているのかどうか分からないし、そもそも銀翹散を飲んでいるのでメインは2つはいらず、サブ的な位置づけの飴が欲しかったので、龍角散ののどすっきり飴の、何か成分的なものが20%増量というやつを買ってみました。

するとどうでしょう、桔梗湯トローチよりもずっと喉の調子が良い気がします。
龍角散ののど飴にも桔梗が入っているのかどうか知りませんが、いずれにしても、銀翹散と龍角散のど飴のコンビでこのピンチは切り抜けられると悟りました。

龍角散の成分的なやつが20%増量とありますが、この袋に龍角散の粉を入れてしまえば何パーセントでも増量できます。

せめて、人間らしく

このようにした結果、11月10日には、ようやく、おそるおそるながらも普通にしゃべれるようになり、その日の夜には、このおそろしい風邪に勝利できたことを確信しました。
そして今日、残党によるゲリラ戦がときおり起こるものの、喉の炎症の組織的な抵抗は終結し、確実に制圧しつつあるという状況にまで至りました。今夜までには完全制圧できることは間違いありません。
このようにして回復してくると、まだ完全回復に至っていないというのに、あんなに死ぬほど辛かった喉の痛みのことも頭から消え去りそうになってきます。人間とは本当におろかです。あの辛さが記憶から完全に消えてしまう前に、急いでここに記す次第です。 

次にノド風邪をひいたら、この記事を見返すことにします。

 

311から5年経ったこと

東日本大震災から5年が経ちました。

戦後2年で日本国憲法が公布されたことを考えると、災害から5年も経ったら相当時間が経ったということだろうという気もしますが、実感としてはそうでもなく、逆に戦後2年で新しい憲法完成する方が早すぎで異常だろうという気がします。あまり遠い記憶でもないので、さすがに当時の映像がニュースなどで流れると心にくるものがあります。

震災直後は日本オワタと思いましたが、5年経ってみると全然終わっておらず、今となっては「アレで終わらないなら永遠に終わらないわ」と、逆に日本の永続を確信しています。

しかし当時は本当にこれは国難だと思い、自分のような人間でも少しでも役に立てないかと思って、震災の1月後くらいに志願して大槌町に行ったんですが、そのときの記憶は将来歳取ってボケても忘れたくないですね。

町に至るまでの山道を下っていくと、ある一定の地点を越えたところから急にがれきだらけになっていて、ここまで津波が来たんだと分かるわけです。津波が届いた家と届かなかった家で明暗が分かれていました。そして町に近づくと、ホーマックがあるんですが、ホーマックの建物の枠組みだけあって中身がすっからかんになっているんです。そしてさらに町に入っていくと、一面瓦礫だらけの赤茶色の世界になっていて、道路だけは瓦礫がよけられていて何とか車両が通行できるようになっているんですが、それ以外は本来建物が建っているところが瓦礫の山になっていて、車から降りてみると、何とも言えない腐敗臭が漂っているわけです。そこを、自衛隊の車両が頻繁に行き来しているわけです。

そんな町の様子を見てから避難所に行ったわけですが、避難所でもやっぱり自衛隊が銭湯とかを設営しているんです。そのころ頻繁に通っていたバーに自衛官がお客さんでたくさんよく来ていて、被災地に派遣されるとか派遣されたとかいう話を聞いていたんですが、自衛官個人個人としてはメンタル的にも色々と大変だったみたいですが、一小市民の私からすると、非日常としかいいようのない被災地に秩序をもたらしてくれそうなのは自衛隊しかいなくて、自衛隊は我々を守ってくれるんだなと実感しました。

避難所にいると、いろんなところから寄付とかが来ていました。どこかの企業の人がぞろぞろと何人かが体育館に入ってきて、「何々会社の方から何々を寄付いただきました」みたいな案内をされて、そのあとその企業の社長とか偉い人が一言「もういてもたってもいられず自社の商品を持ってきました。みなさん頑張ってください。」みたいな話をして、というのが2時間おきくらいに繰り返されていました。

避難している当の被災者は、大まじめな顔で支離滅裂なことを言ってくる人もいて、冗談かと思ったけれどもこのときこの場所で冗談を言う訳がないと思い直して対応したこともありましたし、話を聞いてみると家族も家も何もかもすべて流されてしまったということなのに、極めて冷静な様子で話をしてくる人もいました。そういう方々の精神状態は自分に想像できる範囲を超えているんだろうと思いました

今後もときどき思い出すと思います。